稽留流産(けいりゅう流産)の記録④不全流産で緊急手術【体験談】

ご覧頂きありがとうございます。

今回は少し前に体験した"流産"についてのお話になります。

デリケートな話になりますので、不安を感じる方や苦手な方は迷わず
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などの対応をしていただければと思います。

同じ境遇の方やそのパートナーの方など、このお話を必要とされている方に少しでもこの経験がお役に立てればと思っております。

それでは、私の流産に関する記録④です。
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流産記録④不全流産と緊急手術

不全流産

あとで聞いたら、この状態は「不全流産」というそうだ。
私の場合は赤ちゃんは無事きれいに出てきてくれたが、胎盤が残ってしまった。

これからその残った胎盤を出すために手術するとのことだった。

赤ちゃんとの対面

手術準備のため、車椅子で一度部屋に戻った。
そこで事前に記入していた手術の同意書などを助産師さんにお渡しする。
本来なら明日お渡しする予定だった同意書だ。

助産師さんが
「赤ちゃん、お連れしましょうか」
と聞いてくれた。

その言葉を聞くまで、会えないと思いこんでいた。

そっか会えるんだ。

会ったらショックを受けるかもしれない
でも会わなかったら一生後悔するだろう

想定してなかった質問に一瞬遅れてしまったが、すぐに
「お願いします」
と伝えていた。
どんなに小さくても私の赤ちゃんだ。
会いたいと思った。

助産師さんが赤ちゃんを連れてきてくれるまでの間に、夫に連絡を入れた。
緊急手術になったこと、そして赤ちゃんがきれいに出てきてくれたこと…
慌しく最低限のことをLINEに書き込む。

しばらくして、二本目の点滴と共に手術着が運ばれてきた。

一旦点滴を外し、手術着に着替え、次の点滴をつける。
着替える際にブラトップが脱ぎにくくて、今日これを選んだことを少し後悔した。

手術着になったあと、きれいにしてもらった赤ちゃんと対面した。

白い布に乗せられた小さな小さな体。
あまりに小さくて壊れそうに見える。

薄いまぶたの奥に黒い目が透けて見えた。
小さいのにちゃんと手足の指もある。
口元はにっこり笑っているようにみえた。
なぜか軽く足を組んでいて、それも可愛らしくみえる。
親子だな、偶然だろうけど私が寝るときの姿勢にそっくりだ。

「笑ってるみたい」
「足組んでてかわいいですね」
と助産師さんと話をした。

ただただ悲しくて申し訳ないようななんとも言えない気持ちと、会えて良かったという気持ちがごちゃごちゃになって涙がでた。

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緊急手術

少ししてから手術に呼ばれた。
車椅子に乗り、点滴を転がしながら手術室へと向かう。

ありがたいことにこれまで大きな病気をしたことがなく比較的健康な生活を送ってきた私は、オペ室にこの時人生で初めて入った。

大きな照明やたくさんの医療機器、ドラマで見てたようなものが広がる。
意識もあるので手術台には自力で上がった。

手術は麻酔をして行われる。
そう聞いて心底安心していたのに、手術前の最終確認の内診が激痛だった。
もはや何をしても痛いのか、何なのか。

麻酔を入れる際には
「麻酔入る時 痛いけど、すぐ眠くなるからね」
と声をかけられた。
点滴のところから麻酔が一緒に流される。
突然血管付近にくる鈍痛。地味に痛い。
"血管が痛む"なんてこと経験したことないからだろうけど、結構痛く感じる。

こんなところでも痛みがあるのかと耐えていると、また助産師さんたちが腕や体をさすってくれる。温かい手に、もし次また妊娠できたら、絶対ここの産院にしようと心に決めた。

まだかまだかと待つうちに、いつの間にか眠り、気がつくと手術は終わっていた。

手術後

気がついたのは手術台からベッドに移される瞬間だった。
ベッドのまま近くの部屋に移動し、2時間ほど様子を見る。

術後に襲われたのは寒気。

薄手の手術着のままだからかな、と思ったが手術前は別に寒くなかった。
そもそも新生児がいるこのフロア全体は適温に保たれている。

出血のせいなのか、何なのか。ほかの痛みがどうでもよくなるほど、とにかく寒い。
部屋の温度をあげてもらい、大きなタオルと掛け布団にくるまり、震えながら丸まって眠る。痛みに耐えた時に力の限り踏ん張っていた両足がカタカタと震える。この数週間つわりで食事もちゃんととれず栄養不足、寝てばかりでかなりの運動不足だった私の体はボロボロだ。

次に腹痛を感じ、痛み止めの座薬を入れてもらった。
普段なら恥ずかしいと多少思うところだが、ボロボロすぎてそんな気持ちは少しもわかなかった。

一時間ほど経った頃、寒気は収まった。
痛み止めが効いたのかお腹の痛みもない。

部屋の温度は高いままだが、今はまだこれが適温に感じた。
夕方からの担当の半袖姿の助産師さんが「大丈夫?あつくない?」と聞いてくださるほどには、暖かい部屋になっていたようだ。

久しぶりの食事

二時間ほど休んだあと、入院する部屋に戻った。

部屋に運んでもらっていた夕食が、机の上にある。
妊娠が終わったからなのか、点滴のおかげなのか、久しぶりに少し口に出来そうな感覚があった。

もうつわりは無くなるはずなのに、まだ少し気持ち悪くてお肉や香りが強いメニューは食べられなかった。
それでも朝の状態と比べると劇的に改善している。ご飯や野菜がとても美味しく感じる。ミニトマトがこんなに美味しいと思ったのは久しぶりだ。

夕食は全て半分の量にしてもらった。それでもここ最近まともに食べれなかった自分には十分すぎる量で、申し訳ないけど完食はできなかった。約1ヶ月ぶりのまともな食事だった。

ずっと飲めなかった水分も、この時やっと少し口にできた。

つづきます

次は退院までのお話です。

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