稽留流産(けいりゅう流産)の記録③自然排出のはじまりと大量出血~内診【体験談】

ご覧頂きありがとうございます。

今回は少し前に体験した"流産"についてのお話になります。

デリケートな話になりますので、不安を感じる方や苦手な方は迷わず
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などの対応をしていただければと思います。

同じ境遇の方やそのパートナーの方など、このお話を必要とされている方に少しでもこの経験がお役に立てればと思っております。

それでは、私の流産に関する記録③です。

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流産記録③自然排出のはじまりと大量出血~内診

1日前倒しでの入院

午前11時過ぎ。
つわりの悪化(水分がほぼ取れない状態)により、当初の入院予定から1日前倒しで入院することができた。
前倒しで入院したとはいえ、稽留流産に対しては予定通りのスケジュールで進む。つまり、手術や手術の準備を前倒しにするわけではない。この時点では、水分がとれていないから点滴などをする予定という話を伺った。
病室は全室個室で、トイレ・シャワー付き。普通に出産で入院したい。

パジャマに着替え、尿検査と血液検査を行う。尿はほとんど出なかったが、大丈夫だろうか…。
先生の指示があるまでは点滴などが出来ないようだったので、ベッドに横になって待つことにした。先生は緊急の手術を対応されているとのことだった。

ちょうどお昼時だったけど、吐き気で何も口に出来ない状態だったので食事は無しにしてもらった。
少しすると昼食の配膳の音が廊下から聞こえてくる。(食堂というスペースもあるが、コロナ禍のため各部屋でのお食事)
そういえば、まともな食事なんて1ヶ月以上できてない。

点滴か何かすれば、少しは楽になるだろうか…。
正直、歩くのもつらい。
耳がこもったようになっていて、自分の声が響いて聞き取りにくい。(別記事にする予定だけど、これは耳管開放症)
肌は乾燥してボロボロ。腕すら乾燥で粉をふいていた。保湿もおいつかなかったし、今は保湿する気力も体力もない。
唇も乾燥しきって皮がむけている。
口の中に広がる変な味と吐き気はつわりのせいだから、終わるまでは続きそうだ。

そんなことを考えながら、ベッドに横になったままぼんやりしてた。

自然排出のはじまり

お昼の12時45分。

お腹の中に小さく「パン」と割れる感覚が響いて、そのすぐあとに大きなかたまりが出てきてしまった。
今までの出血とは明らかに違った。

この20分前位から、なんとなく定期的に痛みがきているような気がしていた。
何分間隔なのか計ろうと思っていたそんな時だった。

出てきた瞬間に、もしこれが全て液体状の"出血"なら夜用のナプキンでも絶対に受け止めきれないと思った。
それだけの量だと。
病室のベッドを汚していないかと、あまり動けない体を気力だけで起き上がらせた。

最初に感じたのは破水したときに似た割れる感覚。
臨月の破水とは衝撃が全く違ったけど、小さく小さく弾けたようだった。
次にプチ、と何かがちぎれたような感覚がきたと思ったらそのまま何かが流れ出てきた。

すぐさま病室内のトイレに向かう。
トイレ付きの個室で本当に良かった。

今まで出てきてた血のかたまりとは明らかにサイズがちがう。
夜用のナプキンの真ん中にどん、と乗るふっくらした丸みのあるかたまり。
血に覆われていて何も分からなかったけど、もうそうだとしか思えない。
自分の片手より少し小さなサイズ。

医学的な知識が無い素人の自分は
「きっと赤ちゃんだけじゃなくて、その回りの袋とかも一緒に出てきたんだ」
と思った。

つぶれないように、こぼさないように、落とさないように
そうっと包んだ。

ありがたいことに、ここは病院。
ナースコールを押すとすぐに助産師さんがかけつけてくれた。
「確認してきますね、ベッドでゆっくり休んでいてください」
何も考えられず、言われるままにベッドに横になった。

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大量出血

「きっと赤ちゃんだったんだ」
なんともいえない気持ちのままベッドに横になっていた。

が、その後しばらくして、また「どばっ」と流れる感覚があり飛び起きる。
10分も経過していなかったと思う。

今度はナプキンで受け止めるのがギリギリな量の出血と、少しのかたまり。
先ほどより小さなかたまりだったから、これは普通に生理の出血の時と同じかと思った。ただ出血の量が尋常じゃない。こんなの一度に出る量じゃない。

かたまりが出たので一応連絡しなくては、とナースコール。
二つ目のかたまりは、また確認のため回収されていった。

ここから、出血が止まらなくなった。
ずっと流れ出るような感覚がある。

ぎゅっと強い生理痛のような痛みが定期的にやってくる。
うずくまりたい。座り込みたい。ベッドのフレームに手をかけて、痛みに耐える。

ずっと出血は続いてる。
ベッドに座ることもできない。またかたまりが出たら対応しなくてはいけないからトイレに座ることもできない。最初のものが赤ちゃんだと思うけど、未だ結果を聞いていないから完全には安心できない。
また10分もしないほどの短い時間でナプキンを変えた方がよさそうなほど出血していた。

どうしたものかと一人慌てていると、別件の手術を終えた直後の主治医が部屋に来てくれた。
術後すぐに立ち寄ってくれたらしく、かたまりの件は聞いていないようだ。
かたまりが出たことなど状況を伝えると、すぐ内診しようと言ってくれた。

内診|赤ちゃんを取り上げる

その後すぐに助産師さんが点滴と車椅子をもってきた。
内診しながら点滴も流すことになったそうだ。そもそもつわりで飲めない状況があって、前倒しで入院している。やはり水分が足りていないようだ。

点滴の台と共に車椅子で診察室に移動した。
車椅子は乗りなれていないから、スムーズな移動に酔いそうになる。

診察室についてすぐ、内診台に上がった。
内診をしながらも出血している感覚がある。

先生が「赤ちゃん出てきてるね」と言った。

"さっきのがやっぱりそうだったのか…"と思い出していると

「今ちょうど途中まで出てきてるから このまま出そうね」
と伝えられた。

思わず
「え?"今"ですか??さっきのは?あの、大きなかたまりは?」
と前のめりに聞いた。

「あれは膜成分(?)」
先生の言葉は上手く聞き取れなかったが、先ほどのものはどうやら違ったらしい。
まだ赤ちゃんはお腹にいた。てっきりあの大きなかたまりがそうだと思っていたから、危うくトイレに座りっぱなしにするところだった。
素人の思い込みは怖い。

子宮が収縮しているのか、またぎゅっと生理痛のような痛みが襲う。

そのまま内診台で赤ちゃんを取り上げることになった。

麻酔は無し。
先生が赤ちゃんを取り上げてくれた。
こちら側からはどのような処置がされているのかはよく分からなかった。

これが激痛。

腹痛がある状態での内診だけでも痛い。
処置が始まると、痛みは何倍にも増した。
陣痛や出産そのものの痛みとはまた違う種類の痛み。生理痛とも違う。
おそらく上の子の出産の時よりも叫んだ。

今回は"産む"わけじゃないから、"いきむ"必要性は無いようだった。
「力抜いてね」と繰り返される。

力を抜いてと言われても、上手く脱力できないほど痛い。痛みに抵抗しようと、むしろ体中に力が入ってしまう。
「ふーっ、ふーっ、」
と助産師さんが呼吸をサポートしてくれ、それに合わせて呼吸する。それでもあまりに痛くて、力を抜くことなんてできなかった。
助産師さんが体をさすってくれる、その温かい手が何よりありがたかった。
お産がある、新生児もいる同じこのフロアでこんなに叫んで申し訳ない。

きっと短い時間だったのだと思うけど、すごく長く感じた。
赤ちゃんは無事きれいに出てきてくれた。

処置が終わり内診台から立ち上がると、座っていた場所は血の海のような状態になっていた。(よく見えなかったが、内診台のところにトレーのようなものがあり出血を受け止めていたようだった)

赤ちゃんは無事に出てきてくれたが、胎盤が子宮内に残った為、緊急で手術することになった。

つづきます

次回は赤ちゃんとの対面、緊急手術と術後の状態について綴ります。

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